活動日記

仲間たちと家族と  10年目の田植え 

稲を泥の中に「むぎゅっ」と
押し込める感覚。
田植えを思い出す手の記憶。
手から伝わるものは一生モノ。

泥んこになるって、
こどもに戻るね。

食べるために汗をかくと、
食べることが好きになる。

これぞ、天然の
全身泥パック。

食べるためには、
いくつもの行程がある。
それを知っていると、
心から「いただきます」が言える。

こどもは、おとなに近づいて
おとなは、こどもに戻る。
泥にまみれるって、不思議だね。

時間も忘れて働いたら、泥まみれ。
川の水を組み上げて、汚れたところを洗い流す。
暑い昼間に冷たくて気持ちいい。

稲をまっすぐに植えるために作った三角の測り道具。
「ない道具は自分で作る。」
ここにも大工の精神が息づいている。

つなぐ手が、
いつもより
たくましい。

自然な笑顔は、
自然が引き出してくれる。

毎年恒例。
住幸房の田植え活動。

2020年7月初旬。
梅雨明け前のまだジメジメとした空気が漂う夏の日。
今年もまた恒例の田植えがやってきました。住幸房で田植えをするようになって約10年。
共同経営者である滝口の祖父と父が農業をしていたこともあり、その流れを受け継ぎ、スタートした住幸房みんなの田植え活動。始めた当時は経験がないので試行錯誤の繰り返し。ジャンボタニシに稲を食べられたり、うまく稲が育たなかったり、田植えのスピードも遅かったりといろんな失敗を経験し、克服しながら今に辿り着きました。
今では農家顔負けの田植え作業。まるで本業のような手際の良さです。

生き物と共生する 「ジャンボタニシ農法」

田植えをした後の1ヵ月くらいは、稲がジャンボタニシの食害を受けてしまいます。
通常であればジャンボタニシを取り除くのですが、住幸房の田植えは自然栽培で、ジャンボタニシを駆除せずに共生しながら稲を育てるという方法を選びました。
これはジャンボタニシ農法と言われています。

苗を植えた後は20日間ほど田んぼの水を少なくしておきます。ジャンボタニシは柔らかい草を好みます。水を少なくしていれば、ジャンボタニシが苗をつたって稲の柔らかい葉先を食べることができません。食べようとして苗の茎を登ろうとしても、苗がジャンボタニシを支えることができないので重みで落ちてしまいます。だから、稲を食べることは諦めて、周りにある雑草を食べてくれるのです。
稲が大きく成長して葉に硬さができてきた頃に水を入れると苗から育った稲は食べられることはありません。つまり、若い雑草だけを食べて、稲は残っていく。という方法です。自然の循環や特性を利用することで、無肥料無農薬での米作りができています。「自分で食べるものは自分で作りたい。甘やかされて育った米ではなくて、生存競争に勝った生命力の高い米をみんなで食べたい。」そんな思いでお米をつくっています。