住む人の言葉

2階を生活の中心に置いた  二木家の都心暮らし。

家を建てたのは、2016年のこと。
住幸房の池尾君(普段はタクと呼んでますが)とは、大学生からの友人です。
私自身も建築業界で働いていますが、個人宅はつくらないので、家を建てる際は、大手のハウスメーカーも含めて3社を見学しました。職業柄、自分で設計ができるので家をつくる際は、図面を描いて「こんな家にしたい」という思いがありました。住幸房に決めたのは、デザイン性と家造りに対する考え方、木の質感や素材感が良いところ。何より大工の人たちがしっかりと造ってくれる印象があったからです。

土地を見て、家を想像する。その土地にあった造りがいい。

家を建てる以前は、この家の近くでマンション暮らしでした。
この街の土地のことはよく知っていたし、家を建てようと考えていた頃から、自転車で近所を周りながら、土地を探していました。
もともと、このエリア(福岡市南区野間周辺)は大きな土地を持つ農家や地主の方が土地を使わなくなって、切り売りしている土地が多いので、道が狭く、区画が密集しています。
しかし、福岡市内で利便性も良く、職場にはバスや自転車で通えるし、生活環境も整っていて、戸建に住める場所というのは限られてきます。ここも都心部ですが、一歩中に入ると静かなので、車の音など気にならない立地です。土地の長所と短所を知った後に、家づくりを考えました。

2階をリビング・ダイニングにするという選択。

ここの短所は「1階に光が入りずらい。」ということでした。
しかし、それはこの土地を選んだ時から分かっていて、その問題を解決するために、初めから2階をリビング・ダイニングをつくるという考えでした。リビング・ダイニングを2階にすることで、日当たりと見晴らしが良く、周囲からの目線を外すことができ、開放的な空間にすることができました。
2階リビングでよく言われるのは、水回りの問題ですが、そこは気になりませんでした。
というのも、私(ご主人)の実家が、2階リビングで、こどもの時から長所も短所も肌で感じて育ちました。
どんな生活ができるかというイメージは家を作る前からあったし、時代は変わり色々とできることも増えてきました。
うちは、浴室も2階につけたので、寒い冬でも、薄着で1階と2階を往復するということもありません。

図面を自分で描いて、イメージをカタチに。

私(ご主人)は、職業柄、図面が描けるので、CGで外観や室内の完成イメージ図を作って、シュミレーションしました。
それをもとに住幸房にイメージを伝えて、作ってもらいました。できるだけ、光を多く取り込めるように、窓をたくさんつけています。キッチンや階段に窓があることで、開放感が生まれます。また、カウンターにも引き出しをつけることで、細々したものを片付けできるようにしています。こどもが小さいので、ダイニングで勉強したり、絵を描いたりするので、筆記用具などが散らからないようにしています。

生活の中心となるキッチン・ダイニングにランドセルラックを設置というアイデア。

子供達が帰ってきた時に、ランドセルをどこに片付けるかがポイントです。
子供部屋に置いておくと、中身のチェックを忘れることもあります。それにこども達は部屋に行かずにそのままダイニングまで上がってくることもあるので、キッチンにおいておくことでここに片付ける習慣もでき、学校から持って帰ってきたもの、宿題や連絡事項などを忘れることなく確認できます。
ランドセルラックの上には、学校の予定を貼っています。今は、自分たちがこどもの時と違って、毎週、時間割が違っていたりするので、親もいつ何があって、何が必要かを把握しておかないといけません。
私たちがこどもの時みたいに、ランドセルを開けると時間割が書いてあってそれを確認するだけという訳にはいきません。まだこどもが小さくダイニングテーブルで宿題をすることが多いので、キッチンにランドセルラックがあることで置きっ放しやプリントの散乱がなくなります。

住幸房が伝えたい、家づくりのポイント

「障子は断熱性が高く、光を通す」というハイスペック機能も持つ優れもの 。

障子はカーテンよりも実は断熱性が高い優れもの。紙1枚で、光を取り込みながら、熱を抑える。障子を開けただけで、温度差が分かるくらい違いがあります。窓を多くする際に問題なのは、断熱と遮光です。光が入り過ぎても夏は暑いし、眩しい。障子だと、柔らかい光に変えて、家に癒しを与えてくれます。

新築では珍しい大きな梁がある家です。

2階リビングに上がってまず印象的なのは、大きな梁のある天井です。
古民家再生の家では時々目にしますが、新築でこんなに大きな梁のある家は珍しいと思います。
実は最初の図面段階では梁をつける予定はなかったのですが、「この家には梁があった方がきっと良くなる」と、住幸房の池尾君の判断で梁を採用しました。住幸房ならではの家づくりだと感じます。職人の技と木への愛情が伝わります。

この家で1番手間をかけてもらった、こだわりの手すり。

一番手間をかけてもらったのが、格子状の手摺りです。作業に入る前に模型まで作ってもらいました。
階段から落下しないように、安全性を踏まえながら、開放感、デザイン性を持つ手すりにしたいと考えました。手すりでありながら、柵としての機能も持っています。格子状なので、光と風が通るので開放的です。

住幸房が伝えたい、家づくりのポイント

呼吸する土壁のチカラ。

土壁には、調湿 ・ 畜熱 ・ 防火という主に 3 つの特徴があります。湿度の高い夏は湿気を吸い込み、湿度が低ければ水分を放出して過度な乾燥を防ぎます。また、遮熱と断熱を組み合わせた外壁の内側に土壁があるので、直射日光や外気温からの影響を受けにくく、室内の気温が急激に変化しないのが特徴です。夏には土壁の表面が冷たく感じられ、冬には薪ストーブなどの暖房の熱を蓄えるため温かく感じます。昔から、大切な物を保管する蔵が土で作られていたことからもわかるように、土壁の家は防火性能が求められる都心部でも、安心して建てることができます。

木と光が伝える
心地よい家

畳と木の優しさが
足裏から伝わってくる。

開放感は、
いい笑顔になって表れる。

こどもの頃に
見てきたもの、
描くものは、
一生モノの価値がある。

優しい光が
ゆっくり、のんびりしたい
気持ちを運んでくる。

庭の畑から、
季節を知る。
食べる喜びが
食卓に広がる。